惚れた相手が悪かった2005年12月01日 19:02

恋は盲目なんていうけれど、盲目になるのは恋の時ばかりとは限らない。
日々の暮らしの中には、まるで恋のように理由もなく心を捕えられてしまうことがある。
そうなったら最後、周りが何を言おうと聞き入れることはない。世界にあるのは自分と「恋人」だけ。邪魔する奴らはみんな敵。
外側から見ればちゃんちゃらおかしくても、当人たちは真剣そのもの。手出ししようものなら、猛烈な反発がきたりする。
そうなったらその恋が終わるまで、ほうっておいてあげるのも優しさかもしれない。少なくとも、こっちの被害は最小で済む。
でもやっぱりほうってはおけない気分の時もある。
どんな時?
たとえば、自分が惚れた相手にかかわる時。

何の話をしているかって言うと、「水伝」問題がらみのやり取りを見ていて思ったことだ。
「水伝」とは、水に感謝の言葉を伝えると、それに反応してくれる。凍らせればきれいな結晶が成長するし、食品も長持ちする。水は最古の生命なのです、というヤツだ。詳しくは、"水からの伝言""水は答えを知っている""水伝""江本勝"などをキーワードにしてググってもらいたい。
これを信じる人もいれば信じない人もいる。いや、信じる/信じないで区分するのも危険なことなんだけど、それは今書きたいこととはちょっとずれるので置いておく。
とにかく、この「水伝」を小学校の道徳の授業で教えちゃう先生が出たり、明らかに科学的でないものをあたかも科学であるかのように語るなという声があがったりと、ちょっとした、それでいて大きな騒動になっている。
「水伝」を信じる/信じたい人たちと、「水伝」には科学的根拠はないとする人たちの対立が騒動の中心軸で、どちらかが力尽きるまで回りつづけていくのだろう。

今回僕が傍観していたのは、ミクシィの「水伝」コミュニティでのやり取りだ。
普通この手のやり取りは、双方の意見が平行線を辿り、あっという間に理性とか論理性のない罵り合いになってしまう。こうなると議論自体がフェードアウトするか、ネット上ならば掲示板なりサイトなりが閉鎖されることが多い。
そうならず、ややフェードアウト気味の感はあるものの比較的冷静なやり取りが続いているのは、議論の場がミクシィであるからかもしれない。
現在のこの議論自体は、理路整然たる反「水伝」派が優勢だ。だからそろそろ「水伝」派の爆発が起きる頃ではないかという気がする。
そうなったらいつもと同じ幕引きだが、ひょっとしたらミクシィという場の特殊性が今までとは違う決着を生むかもしれないという期待はしている。

最初の段落で僕が言いたいのは、「水伝」にひっかかった人たちが恋に盲いているということじゃない。
むしろその逆で、恋人を守ろうとしているのは、実は科学の旗を振る人たちの方ではないかということだ。
僕らは、似非科学に対してこの手の議論を吹っかける科学の人たちの動機をどう捉えているだろう。大抵は義憤に駆られてと思っているのじゃないか。
「彼らは似非科学に食い物にされている。助けなければ。そして更なる被害を食い止めねば」
おそらくそれで概ねイエスだ。でも心の片隅にはちょっと違う気持ちがある。
それは科学への愛から生まれる怒り。
彼らは似非科学に自分たちが愛した科学が汚されているのが我慢ならない。
彼らは恋人の汚名を濯ぎ尊厳を回復するのに必死だ。だから無関係な人たちに語りかける。「違う、そうじゃないんです」
この気持ちは、似非科学を信じる人たちがそれを否定された時感じるなんともいえない不愉快さと、根は同じものだ。違いは、それを感性や気持ちということばで武装しているか、合理性や論理性ということばで武装しているかという点だけだ。

実のところ、似非科学vs科学の議論も感情に根ざしたものなのだ。故に完全決着、もちろん科学の勝利であるべきと思うが、を見ることはない。もっとも、決着がつかないことはすでに経験的に明らかなことだけど。
でも、経験的に決着がつかないことはわかっていても、なぜ幾度となくこうした議論が繰り返されるのかは、示せたと思う。
似非科学を信じる皆さん。あなた方の敵は似非科学を他人事だと思っていません。むしろ自分自身の問題であると考えています。だから「関係ないだろ、ほうっておいてくれ」は通じません。彼らから逃れるには、科学的にダウトフルな部分を切り捨て思想的な部分の純度を上げるしかありません。
科学を愛する皆さん。あなた方も議論に臨む時の気持ちはビリーバーと本質的には変わりありません。同じ原理で行動していては、いつまでたっても平行線です。まったく別の戦略をとった方が道が開けるような気がします。その具体的な戦略には思い至らなかったので、この辺で筆を置きたいと思う。

大阪市長選挙2005年11月27日 21:09

今日、11/27は大阪市の市長選挙だった。
21:05の時点で当確は出ていないが
おそらく現職の再選されるだろう。
注目すべきは投票率・33.94%。
この期に及んでこの数字。
大阪市民の民度がうかがわれる。

僕は枚方在住なので、
大阪市がどうなろうと知ったことじゃない。
それでもね、もうちょっとこう、
自分たちでも何とかしようとする姿勢をさ、
見せても良いんじゃない?
そう思わずにはいられない投票率だ。

日本シリーズ2005年10月24日 23:11

1ファンとして勝利を信じていたけれど、ここまで大差で勝負がつくとは思っていなかった。
もちろん日本シリーズの話。

マリーンズ打線が苦しむとしたら、その相手は下柳以外考えにくい。
彼はセリーグでも珍しい、そして阪神では唯一の“本格”軟投派のピッチャーだ。
単に緩急というだけなら井川にだってチェンジアップがある。しかしここ一番で力押しをしてしまう井川とは、下柳は根本的に違う。

もし下柳から勝利を挙げられたとしたら、そのまま4連勝もありえると思う。
下柳を打ち崩すのは難しい仕事ではあるが。

もっとも、明日の先発小林(宏)が打たれるはずがないので、きっと4タテすると信じているのだが。